さて。
前2回をご覧いただけば、「勝つことが不可能なタイミング」がおそらくご理解いただけるのではないでしょうか。
まずは罠の橋(および魔女封じの宝珠/神聖の力線)を突破するカードがライブラリの中に1枚もない場合(バーンのメイン戦などで発生します)です。
そして、ライブラリの中に存在してもランタンミルロックにより解決策を引くことが不可能となった場合、ランタンコン側の勝利となります。
後者に関しての判断は、ミルの枚数に依存します。
ミルが1枚の場合、自ターンと相手ターンの計2回ミルを起動することができるため、ライブラリトップが3枚連続有効牌でないとそのカードを引くことができません。ミルが2枚だと5枚、3枚だと7枚、というように必要とされる有効牌は2n+1枚のスピードで増えていきます(正確には2連続で起動すると次ターンは1回しか起動できないので、この説明はちょっと嘘)。
(ランタンが存在する場で)ミルが3枚あるとライブラリトップに7枚の有効牌が存在する必要がありますが、そもそもライブラリ内に7枚も有効牌がない状況、あるいはあったとしても現実的な確率でそれだけの有効牌が並ぶことはない状況となってしまっていると思われます。個人的にはこの、「場と手札に打開手段がない中でランタンミル+罠の橋ロックが完成し、ミルが3枚以上ある」が一般的なデッキにおいて勝ち目のなくなるラインだと思っています(ミル2枚でも十分苦しいですが)。自分では相対する時、シャッフル手段などの存在も考慮しますが、「ミルが4枚揃った時点(有効牌が連続9枚必要となった)」でそれ以上粘らないことにしています。
しかしこれはデッキによっては粘れる場合があります。ウギンの聖域とウラモグが入ったデッキの場合、もし7マナ以上のカード(X含む)がハンデスされずに残っていれば、ウギンの聖域もしくは7マナ目の土地がすべて有効牌となります。すでに6マナある場合は、ウギンの聖域をサーチするカードすべても含まれますね。具体的にはBG tronにおいて、たとえ針で刺されていても手札にカーン1枚があり場にウギンの聖域を含めた6マナがある場合、①7マナ目の土地、②森の占術と探検の地図、③古き者の活性、④星と宝珠、と軽く20枚以上のカードがウラモグに繋がりうる有効牌となります。これをすべてミルしきるのは至難です。この辺りがランタンミルがTronを苦手とする所以です。
話が逸れましたが、自デッキの中の有効牌の数とミルの枚数で単純に勝つことのできる確率は決定され、ミル3枚並んだ時点でその可能性はかなーり薄くなるという認識で正しいと思います。
そしてここからが肝心の投了のタイミングなのですが、以下の点をまずお伝えします。
・紙マジックにおいては、時間制限を越えると引き分けとなる。
・MOにおいては各々が持ち時間を持っており、個人の制限時間を使い切ると使い切ったほうが負けとなる。
・紙マジックにおいて遅延行為はルール上、違反行為となる。
・すべてのプレイヤーが、負け/引き分けを選ぶよりも勝ちを選んでプレイすると想定する。
…なんとなく察していただけるかと思いますが、ちょっとデリケートな話題に踏み込みます。
1.紙マジックの場合
・マッチの勝敗の決まらないゲーム、つまり1ゲーム目のすべてと1ゲーム目を勝利した後の2ゲーム目において、ここまでにお話しした内容から自デッキの勝ち目がないと判断した場合、速やかに投了することをお勧めします。
・3ゲーム目で勝ち目のない状態であると判断できた場合の対応の最適に関しては、ここでの言及は控えさせていただきます。個人的な意見としては、「勝ち目がないなら投了してくれ」というのはランタンコン側が無理を言っているような気がしますし、「なんとか引き延ばしてせめて引き分けにしたい」というのも相対する側がルール違反じゃないからOKというラインをさらにぎりぎり踏み越えてしまっていそうにも見えます。
・ただし繰り返しますが、遅延行為はルール違反です。これだけはくれぐれもご理解ください。すべてのプレイヤーは適切な速度でプレイをする義務がありますし、相手にこれを要求する権利を有しています。
2.MOの場合
・さらに盤外戦術くさいことになるので、不愉快に思われる方がいたらすみません…。
・お互いの持ち時間が独立しているMOでは、勝負が決まった後に投了してもらえるのは、3戦をフルでプレイするとしょっちゅう時間がぎりぎりなランタンコン側としてはありがたいことである、とだけお伝えします。
・もしも自デッキの中によほど相手に見せたくないシークレットテクがあればこの限りではないのですが、サイド後ならばまだしもメイン戦でそれが有利になることはないと考えていただいて問題ありません。基本的なデッキ内容をランタンコンを使う人間は把握しているのが普通です。
・制限時間については、ランタンコンよりも少しだけ多めに残すことを心がけれるとよいです。残り時間がお互いに1分を切り、お互いが優先権を放棄して少しだけ残り時間が多い方が相手の時間切れを狙う、という戦術が(褒められたものかどうかは別として)MOには存在します。しかし、ランタンコン側はこの戦術は取ることができません。これは、罠の橋を機能し続けるためには自ターンで動かないことは許されないからです。そのため、ランタンコンよりもちょっとだけ多めの制限時間を残すことを意識していれば、ランタンコンに時間切れで負けることはありません。
もう一つ、紙とMOで挙動が異なる、勝負がつかなくなる場合について挙げておきます。
白金の天使(もしくは試練に臨むギデオンの紋章による敗北回避)をランタンコン側が処理できず、かつライブラリー/手札/盤面の残りの問題をすべて処理しきった場合です。ランタンコン側はアカデミーの廃墟(がありそれが無効化されていなければ)でライブラリを永遠に修復し続けることが可能なので、紙マジックでは早急に引き分け処理をしてください。しかしMOでは、前述の通り制限時間の関係でランタンコン側の敗北となります。おそらく時間が来る前に投了してくれるでしょう。
ここまで書いたのは、ランタンコントロールというデッキがモダンの中で存在することを肯定しているからにすぎません。否定的な方がいることは理解できるデッキなのですが、ランタンコンがよくわからないからキライ、という方が減ってくれたらいいな、とは思っています。(そうは言っても大流行したらサニーサイドアップよろしく禁止されるんだろうなぁ…。)
見当違いの内容、あるいは重大な見落としが存在するかもしれません。ご親切な方がいらっしゃいましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。
乱筆乱文、お読みいただきありがとうございました。
前2回をご覧いただけば、「勝つことが不可能なタイミング」がおそらくご理解いただけるのではないでしょうか。
まずは罠の橋(および魔女封じの宝珠/神聖の力線)を突破するカードがライブラリの中に1枚もない場合(バーンのメイン戦などで発生します)です。
そして、ライブラリの中に存在してもランタンミルロックにより解決策を引くことが不可能となった場合、ランタンコン側の勝利となります。
後者に関しての判断は、ミルの枚数に依存します。
ミルが1枚の場合、自ターンと相手ターンの計2回ミルを起動することができるため、ライブラリトップが3枚連続有効牌でないとそのカードを引くことができません。ミルが2枚だと5枚、3枚だと7枚、というように必要とされる有効牌は2n+1枚のスピードで増えていきます(正確には2連続で起動すると次ターンは1回しか起動できないので、この説明はちょっと嘘)。
(ランタンが存在する場で)ミルが3枚あるとライブラリトップに7枚の有効牌が存在する必要がありますが、そもそもライブラリ内に7枚も有効牌がない状況、あるいはあったとしても現実的な確率でそれだけの有効牌が並ぶことはない状況となってしまっていると思われます。個人的にはこの、「場と手札に打開手段がない中でランタンミル+罠の橋ロックが完成し、ミルが3枚以上ある」が一般的なデッキにおいて勝ち目のなくなるラインだと思っています(ミル2枚でも十分苦しいですが)。自分では相対する時、シャッフル手段などの存在も考慮しますが、「ミルが4枚揃った時点(有効牌が連続9枚必要となった)」でそれ以上粘らないことにしています。
しかしこれはデッキによっては粘れる場合があります。ウギンの聖域とウラモグが入ったデッキの場合、もし7マナ以上のカード(X含む)がハンデスされずに残っていれば、ウギンの聖域もしくは7マナ目の土地がすべて有効牌となります。すでに6マナある場合は、ウギンの聖域をサーチするカードすべても含まれますね。具体的にはBG tronにおいて、たとえ針で刺されていても手札にカーン1枚があり場にウギンの聖域を含めた6マナがある場合、①7マナ目の土地、②森の占術と探検の地図、③古き者の活性、④星と宝珠、と軽く20枚以上のカードがウラモグに繋がりうる有効牌となります。これをすべてミルしきるのは至難です。この辺りがランタンミルがTronを苦手とする所以です。
話が逸れましたが、自デッキの中の有効牌の数とミルの枚数で単純に勝つことのできる確率は決定され、ミル3枚並んだ時点でその可能性はかなーり薄くなるという認識で正しいと思います。
そしてここからが肝心の投了のタイミングなのですが、以下の点をまずお伝えします。
・紙マジックにおいては、時間制限を越えると引き分けとなる。
・MOにおいては各々が持ち時間を持っており、個人の制限時間を使い切ると使い切ったほうが負けとなる。
・紙マジックにおいて遅延行為はルール上、違反行為となる。
・すべてのプレイヤーが、負け/引き分けを選ぶよりも勝ちを選んでプレイすると想定する。
…なんとなく察していただけるかと思いますが、ちょっとデリケートな話題に踏み込みます。
1.紙マジックの場合
・マッチの勝敗の決まらないゲーム、つまり1ゲーム目のすべてと1ゲーム目を勝利した後の2ゲーム目において、ここまでにお話しした内容から自デッキの勝ち目がないと判断した場合、速やかに投了することをお勧めします。
・3ゲーム目で勝ち目のない状態であると判断できた場合の対応の最適に関しては、ここでの言及は控えさせていただきます。個人的な意見としては、「勝ち目がないなら投了してくれ」というのはランタンコン側が無理を言っているような気がしますし、「なんとか引き延ばしてせめて引き分けにしたい」というのも相対する側がルール違反じゃないからOKというラインをさらにぎりぎり踏み越えてしまっていそうにも見えます。
・ただし繰り返しますが、遅延行為はルール違反です。これだけはくれぐれもご理解ください。すべてのプレイヤーは適切な速度でプレイをする義務がありますし、相手にこれを要求する権利を有しています。
2.MOの場合
・さらに盤外戦術くさいことになるので、不愉快に思われる方がいたらすみません…。
・お互いの持ち時間が独立しているMOでは、勝負が決まった後に投了してもらえるのは、3戦をフルでプレイするとしょっちゅう時間がぎりぎりなランタンコン側としてはありがたいことである、とだけお伝えします。
・もしも自デッキの中によほど相手に見せたくないシークレットテクがあればこの限りではないのですが、サイド後ならばまだしもメイン戦でそれが有利になることはないと考えていただいて問題ありません。基本的なデッキ内容をランタンコンを使う人間は把握しているのが普通です。
・制限時間については、ランタンコンよりも少しだけ多めに残すことを心がけれるとよいです。残り時間がお互いに1分を切り、お互いが優先権を放棄して少しだけ残り時間が多い方が相手の時間切れを狙う、という戦術が(褒められたものかどうかは別として)MOには存在します。しかし、ランタンコン側はこの戦術は取ることができません。これは、罠の橋を機能し続けるためには自ターンで動かないことは許されないからです。そのため、ランタンコンよりもちょっとだけ多めの制限時間を残すことを意識していれば、ランタンコンに時間切れで負けることはありません。
もう一つ、紙とMOで挙動が異なる、勝負がつかなくなる場合について挙げておきます。
白金の天使(もしくは試練に臨むギデオンの紋章による敗北回避)をランタンコン側が処理できず、かつライブラリー/手札/盤面の残りの問題をすべて処理しきった場合です。ランタンコン側はアカデミーの廃墟(がありそれが無効化されていなければ)でライブラリを永遠に修復し続けることが可能なので、紙マジックでは早急に引き分け処理をしてください。しかしMOでは、前述の通り制限時間の関係でランタンコン側の敗北となります。おそらく時間が来る前に投了してくれるでしょう。
ここまで書いたのは、ランタンコントロールというデッキがモダンの中で存在することを肯定しているからにすぎません。否定的な方がいることは理解できるデッキなのですが、ランタンコンがよくわからないからキライ、という方が減ってくれたらいいな、とは思っています。(そうは言っても大流行したらサニーサイドアップよろしく禁止されるんだろうなぁ…。)
見当違いの内容、あるいは重大な見落としが存在するかもしれません。ご親切な方がいらっしゃいましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。
乱筆乱文、お読みいただきありがとうございました。
コメント
ただきりたんの動画で言われていましたがランタン側はやることが明確なので自身のプレイがそこまで時間取ることはなくてミルが並べばキルターンもあまり間延びしないですしサニーサイドアップのような理由で禁止にはならない…と思いたいですね。
コメント、ありがとうございます^^;
もしまた何かの機会があれば、今回は控えたもっとえげつない表現を使うよう、心がけます!
ぷるおるさん
コメント、ありがとうございます。
おっしゃる通りお互いが慣れていれば、サニーサイドアップとは違い勝利までの時間が長くなるわけではないのでニュアンスは異なりますね。
非常に癖のあるデッキで使用者が少ないから現在の使用率で収まっていますが、実際の強さはもっと大きいのではないかと感じており、支配率が現在よりも上がった時、果たしてみんな許してくれるのだろうか、ということを心配しています。結構な杞憂ですが。